感情労働と笑顔

NAO
笑顔の接客があふれる日本

こんにちは。日本笑顔推進協会のライター浅井です。

皆さんは【記憶に残る接客】を最近受けましたか?
先日、通っているスポーツジムで受付スタッフの方に営業時間の質問をしたところ、驚くほどの「無表情」での応対で、逆に印象に残りました。
スポーツジムにおいて【笑顔あふれる心地よい接客】を求めているわけではありませんが・・・しかしこれは、筆者が客側として驕っていて笑顔の接客に慣れすぎているからでは?!
「欲しがりすぎ」なのでは?!などと悶々と考えつつ自転車を漕いでいました。

そんな日本の接客と笑顔に関するお話です。

皆さんは【感情労働】という言葉を知っていますか?

 

感情労働とは?

 

「感情労働」は、近年注目されている新しい概念で、社会学者A・R・ホックシールドによる言葉です。相手(=顧客)の精神を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発、または抑圧することを職務にする、精神と感情の協調が必要な労働のことをいいます。
(出典:感情労働とは? 感情労働の職種とストレスについて https://www.kaonavi.jp/dictionary/emotional-labor/ )

 

つまり平たく言うと「お客様のために己の感情をコントロールし、サービスをする労働」ということです。
肉体や筋力・体力を使う仕事であれば肉体労働、頭脳を用いて考え、アウトプットする仕事であれば頭脳労働、そして続く第三の労働カテゴリがこの感情労働です。

日本はおもてなしの国・・・というイメージが幅広く認知され、心づくしの接客はまるでスタンダードのような共通認識が高まる昨今。笑顔で接客するのがあたりまえ、と皆さんも多かれ少なかれ思うところがないでしょうか。

常に笑顔で接客することは、実はテクニックを伴う重労働です。何が「重」なのかというと、心を半ば無理やりアップダウンさせることが「重」作業なのです。
「お客様に対しては、心からの笑顔で応対しましょう」。これはたとえ理不尽、あからさまに態度の悪い顧客に対しても同様です(この場合クレーム発生時などではなく通常応対時)。

ホックシールド氏によれば、感情労働における応対術は「表層演技」と「深層演技」に分けられると説いています。

表層演技と深層演技

 

表層演技とは、他者から目視できる表面的な演技で、自身の内面の感情にかかわらず、笑顔や立ち振る舞い、声の抑揚や言葉で感情を表現することです。企業でもマニュアルとして「見本」が作られ、研修などを行う際にも、強調して伝えられることです。

深層演技とは、心の中でも表面的な演技と同じような感情をもとうとすることです。不快な客に対しても心から笑顔で接し、「従業員」として正しくあろうとする。そのような意識を常に持つ努力をすることです。

表層演技だけに特化していると、究極では「笑顔がうそっぽい」「気持ちが入っていない」という印象を受け手に与えることがあります。
かといって深層演技に特化していても、オンとオフの切り替えがうまくいかず心が疲弊しやすかったり、ある日突然無気力になるといったことがあります。

なんだか接客は大変だ・・・と思わせるこの「感情労働」という定義ですが、一概に笑顔で接客業に携わる人が全員が「感情労働」「苦」として就労しているかというとそうでもありません。そうでなければ接客業の雇用は絶望的でしょう。
人に接することが好き、または人に話しかけられたときに自然と笑顔が出るような人にとっては、そもそも「感情労働」と聞いてもしっくりこないかもしれませんね。
言葉で定義づけしてしまうとその意味に感化されてしまいがちです。接客業で働く方たちが「感情」を使用して就労していることは客観的事実ですが、そこが「良い・悪い」かは別問題なのです。

 

まとめ

楽しく感情労働をこなせる人も沢山います。
逆に今、無理に笑顔をつくっていると感じている人にはテクニックや適切な息抜きが必要でしょう。
「笑顔」自体は表情筋のつくる現象なので、表情筋マッサージやトレーニングを行えばある程度難なく
「自然な表情」をつくることができます。

ところで先日フロリダに1週間旅行してきた同僚がこんな話をしていました。

「フロリダのスーパーなどでは、店員が型にはまったいわゆる「接客」をしていない。待機中には雑誌を読み、接客中ニコリとも笑わないなんてのもザラで、最初は唖然とした。しかししばらくたつと、その中でも味のある接客があることに気づいた。会計のあと急にニっと笑って「よい一日を!」と声をかけてくれたり、ジョークを交えて軽いトークがはじまったり。自然体でした。日本の接客が仰々しいな、と感じるくらいに、とても自然だった。結構いいな、と思ったんです。でも中には行き過ぎてて全然集中してなくて危険なお会計や、ヤル気なさすぎる対応なんかもあったのでホドホドに、がいいと思いましたけどね・・・」

お客様至上主義な接客に慣れていると、海外のフランクさがとても新鮮でいいな、と感じたそうです。
このフロリダのスーパーの従業員に「感情労働」の話をしたら笑われてしまうかもしれませんね。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

大学卒業後に人材系アウトソーシング企業に入社。営業、人事、監査などを経て、雑貨の商品開発部へ。数多くのヒット商品を生み出す。その後接客教育のコンサルティング事業部へうつり、現場での指導を行う。現在はコピーライティングを手掛ける。